中小製造業の技術経営(その8 戦略策定)
1.分析結果に基づく事業戦略の策定 前回までで外部、内部環境分析が終了し、自社のコアコンピタンスについても自覚できたことと思います。 しかし分析しただけでは成果が得られません。これらの分析を踏まえて、ではどうすれば良いのかを考え、実行計画に落とし込み、さらにそれを実行して初...
上杉鷹山に倣うーこんな政党に投票したい
参議院選挙が公示されて、各政党、候補者の公約が出そろいましたが、今一つ全面支持したい党がありません。 昔からの自分の方針として投票は絶対しますが、誰に投票しても日本の将来が心配でなりません。 自民党に任せていても心配なのですが、野党はもっと頼りない。自民党が支持されているの...
中小製造業の技術経営(その7 環境分析)
1.戦略策定における環境分析の意義 図1に示した中小企業が事業戦略を策定する手順で前回は企業理念と事業ドメインの確認もしくは設定まで説明しました。 これに続く外部、内部環境分析は非常に重要なプロセスです。孫氏の兵法でも「敵を知り己を知れば百選危うからず」とされ、しっかり内部...
中小製造業の技術経営(その6 中小製造業の事業戦略)
1.中小製造業の事業 大企業であれば、複数の事業領域に複数の製品を扱っていることが多いものですが、中小製造業ではアイテムが多いものの、単一事業領域でものづくりしている場合が多いようです。 であれば事業間の注力バランスを検討するためのPPM (Product...
中小製造業の技術経営(その5 中小製造業の分類)
1.中小製造業分類の方式と意義 中小製造業と一括りにしても当然ながら千差万別です。今回は分類を試みてみます。分ける項目がいくつか考えられますが、ここでは(1)企業規模、(2)生産品目、(3)生産・販売形態という三つの切り口で分類してみます。 2.企業規模による分類...
中小製造業の技術経営(その4 小規模であることの問題)
1.製造業の規模が小さいということ 前稿では中小製造業の規模が小さいことによるメリットを記述しました。企業経営にあたっては不利な状況を嘆くのではなく、ドラッカーが示すように「強みにフォーカス」することが大事です。 その一方で、当然ながら大企業に対して不利な面もあります。経営...
最も確実でリターンが大きいのは「自分への教育投資」
とあるQ&Aサイトで「一番儲かる投資法を教えて」という質問があり、色んな答えがあって興味深く読みました。 中でも「全額定期預金して、通帳を見ながらもっと増やそうと仕事に邁進する」という回答の評価が高くて笑えました。受け狙いには良いですが、実効的にはどうなんでしょう。...
中小製造業の技術経営(その3 小規模ならではの利点)
1.中小製造業の傾向 前稿では中小製造業の特徴として従業員数、財務基盤、社長影響力が大企業と異なると記述しました。 本稿では以上の特徴から生まれる大企業に対して有利な面を列挙していきます。この部分を活かすことができれば、規模は小さくとも存在感を発揮出ますが、これらの特徴を十...
中小製造業の技術経営(その2 大企業との違い)
1.中小企業の定義 前稿でも書きましたが、中小企業基本法による中小企業の定義は「資本金3億円以下または常時使用する従業員数が300人以下」です。 中小企業は税制度や補助金などの優遇があるため、税負担の軽減優遇を受けられるように元々の非中小企業が減資するケースもあって、この定...
中小製造業の技術経営(その1 技術経営の全体像)
1.技術経営の重要性 日本製造業の総生産額は、1960から80年代にかけて急激に増加したものの、1995年以降は全く成長していません。モノ余り、人口の減少、東西冷戦終了による低賃金労働国という強敵の出現、近年では働き方改革などの社会的要因がありますが、同様の問題を抱える他の...