中小製造業の技術経営(その5 中小製造業の分類)

1.中小製造業分類の方式と意義

 中小製造業と一括りにしても当然ながら千差万別です。今回は分類を試みてみます。分ける項目がいくつか考えられますが、ここでは(1)企業規模、(2)生産品目、(3)生産・販売形態という三つの切り口で分類してみます。


2.企業規模による分類

 中小といっても従業員数名の町工場と中小企業基本法による定義ギリギリの300人では事業の進め方がだいぶ違います。少人数では専門的な業務分担が難しく、たとえば総務と経理あるいは生産管理と製造、購買が兼任だったりします。

前記の中小企業基本法では中小企業の中でも常時雇用者20名以下の企業については「小規模企業」と定義づけ、財務基盤が弱いこのカテゴリー限定の支援策も展開しています。

自然世界の生存競争で勝ち目がない小動物は、大きな動物が入れない穴や隙間で活動したり、周囲に溶け込んで見つからないようにして生き延びます。産業界においても小規模企業は、リソースが相対的に豊富な大企業と正面から戦うことなく、それぞれの独自性を活かして発展していくことが重要です。


3.生産品目による分類

 総務省の日本標準産業分類で製造業は大分類のEに分類されており、作るものにより次の24中分類、そしてそれぞれが5から10の小分類、そこからさらに数項の細分類に分かれています。

09  食料品製造業
10  飲料・たばこ・飼料製造業
11  繊維工業
12  木材・木製品製造業(家具を除く)
13  家具・装備品製造業
14  パルプ・紙・紙加工品製造業
15  印刷・同関連業
16  化学工業
17  石油製品・石炭製品製造業
18  プラスチック製品製造業(別掲を除く)
19  ゴム製品製造業
20  なめし革・同製品・毛皮製造業
21  窯業・土石製品製造業
22  鉄鋼業
23  非鉄金属製造業


24  金属製品製造業
25  はん用機械器具製造業
26  生産用機械器具製造業
27  業務用機械器具製造業
28  電子部品・デバイス・電子回路製造業
29  電気機械器具製造業
30  情報通信機械器具製造業
31  輸送用機械器具製造業
32  その他の製造業

 この分類は70年以上前に制定され、その後13回の改定を重ねて現在に至っているものの、古い品目を引きずっている感が否めませんが、国の統計に使われ広く普及していることから品目分類には便利と言えます。

技術経営的には作る品目による固有の部分と共通の部分があり、どちらかといえば品目そのものよりはB2CかB2Bか、量産か多品種少量生産かの違いの方が、経営手法に影響します。


4.生産・販売形態による分類

中小製造業の技術経営の進め方は、生産物の種類と販売経路により大きく異なる
生産物・販売経路による分類

 該当企業の生産物が最終製品なのか部品・材料なのか、さらにはそれを直接消費者に販売するのか個別契約で一社に納める所謂下請けなのかという販売形態の違いは、技術経営の適用に大きな違いをもたらします。

 前者であれば何を作るか、どうやって買ってもらうか、そのためにどんな技術を開発するかが大きな課題となるのに対して、後者では基本的に生産品の仕様が発注者から指示されることで、生産方法だけが主な課題となるためです。

 多くの中小製造業はこの図の緑分野で活動しており、一般的な技術経営での大項目である開発戦略、マーケティング、研究テーマ管理などの扱いが変わってきます。


以上の他にも主要市場(地域、国内、海外)による分類や、成長性による分類なども考えられますが、ここでは取り上げません。

今回の分類を頭に置きながら、今後は技術経営の具体的な適用について考えていきます。

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